金沢大学吹奏楽団 Kanazawa University Wind Orchestra

自由な音楽を目指して
2022年1月6日 20時30分

明けましておめでとうございます!2年正指揮者の久々江です!
先日、12月25日に第34回定期演奏会を無事に終えることができました。お越しくださった皆様、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
今回のブログでは、定期演奏会並びに今年1年を振り返ってみて、私の思いを綴らせていただきます。少々長くなりますが、最後まで読んでいただければ幸いです。

今年の定期演奏会は2年ぶりに有観客での開催となりました。ホワイトクリスマス!と喜べないほどの大雪…また、新型コロナウイルス拡大にまだまだ余談を許さない中での開催ではありましたが、私自身とても楽しみにしていました。(ちなみにですが、定期演奏会前にMy指揮棒をオーダーメイドで作っていただきました。長さ、グリップの形状、木の種類、バランスなどBestなものになりました笑)

さて、定期演奏会本番、プログラム冒頭の「ジュビリー序曲」。今年は11月に新たに指揮者になった一年生が定期演奏会でも指揮をすることとなりました。私はトランペットでこの曲に参加しましたが、一年生指揮者の成長に本当に感動。練習の過程では沢山悩んでいることも知っていただけに、本番の彼女の堂々とした指揮、晴れやかな顔は忘れることのできない思い出です。
次は「歌劇『イーゴリ公』より韃靼人の踊り」。この曲で指揮を振ったのは4回生で今年度卒団されるT先輩。先輩の指揮姿が見納めになると思うと、先輩との沢山の思い出がよぎり、感慨深いものでした。また、この曲で隣で演奏したトランペットの4回生の先輩方と、もう共に吹くことはないと思うと、少し寂しい気持ちに。しかし、最後の演奏をいいものにしたいという思いで演奏することができました。
そして1部のラスト、「吹奏楽のための『エールマーチ』」と「吹奏楽のための協奏曲」。この二曲は夏の吹奏楽コンクールで演奏した思い出の曲です。私は今年のコンクールで2回生ながらに指揮を振りました。昨年のコンクールが中止となり、2年ぶりのコンクール、さらには大学生になり初めてのコンクールと、沢山悩み、考え、葛藤しましたが、私にとって本当に実りの多いコンクールとなりました。熱い思いをもって選び、練習したこの二曲を演奏できるのもラスト。みんなの気持ちが乗ったいい演奏でした。
さて、2部ではポップスを中心に「色彩」豊かなステージになりました。私は「故郷の空空in swing」と「カイト」を指揮しました。特に「故郷の空in swing」は多くのパートのソロが光る曲で、テンポはドラムとベースに任せ、私は楽しく指揮台で踊っていました笑。
最後に3部、大曲ステージ。今年は「交響詩『ローマの祭り』」です!吹奏楽経験者なら誰もが知っているこの曲ですが、意外と全曲で演奏される機会は少ないと思います。私がどうしてもやりたい!と意気込み決めた曲。中学時代に生で聴いたこの曲にずっと憧れ、いつかはやりたいと思っていました。この曲の特徴は場面により変化する多彩な音楽表現です。1楽章チルチェンセスは猛獣とキリスト教徒が死闘を繰り広げる闘技場での場面、2楽章ではローマを讃える歓喜の歌が、3楽章では狩の場面やマンドリンが奏でるロマンチックな音楽を、そして4楽章主顕祭では物売りの叫び声や手回しオルガンなど賑やかな祭りの様子が描かれています。ローマの祭り愛を語ると長くなってしまうので、これくらいにして…本番の最後はみんな総出で「行け!行け!」になってしまいましたが、みんなの熱のこもった演奏をお届けでき、大大大満足です!

ここからは私の1年間を少し振り返させていただきます。
私が指揮者になったのは昨年の2月、正指揮者になったのは4月。指揮者として右も左もわからない中で正指揮者になるということに不安だらけでした。学生のみで運営しているこの団は指揮者も学生のみで、常時教えてくださる先生はいません。指揮経験のない私は、何から手をつけていけばいいのやら…
しかし、私はこれまで指揮をしてきて気付いたことがあります。「指揮者は奏者の演奏がなければ存在する意味はない、指揮者の夢は奏者が叶えてくれる」ということです。指揮者は実際音を出すことはできません。どんなに頭の中で理想の音を描いても、奏者にその理想の音を出してもらうしかないのです。それに気づいたとき、私は奏者のみんなに自分の夢を託すことにしました。もちろん指揮者としてやらなければいけないことは沢山あります。しかし、みんなから湧き出る音楽を大切にする、これが私のこだわりです。音楽で表現し、誰かに届けるためには何か音で「はっきり言う」必要があります。そこで発せられる言葉は人それぞれ異なるはずです。同じだと、その人がその音楽を奏でる意味はありません。私はそのそれぞれの異なる気持ちがこもった言葉を大切にしたいと思っています。凝り固まった音楽に楽しさや感動はうまれません。

“音楽はもっと自由であるべき”

私はそう思います。

私は次年度も正指揮者として残る予定です。次こそは全国大会出場の夢を叶えます!

今回の定期演奏会は来月にオンライン配信されます。魂のこもった熱々のコンサートをぜひご覧下さい!

最後に、どんな時でも支えてくれたトランペットパート2年生との終演後の写真!いつもありがとう!